新型トヨタ・パッソレビュー


今回は、今年登場した新型のトヨタパッソをレビューしたいと思います。

先代のパッソはかなり女性向けの印象が強く、なかなか男性で購入に踏み切る人はいないのでは無いかと思うくらいの割り切ったデザインだったのですが、今回のモデルはカクカクしていて、男性でもデザイン的には選びやすくなったのでは無いかと思います。

上級グレードの「モーダ」では若干先代のイメージを踏襲しつつも、それでもユニセックスになった感じは否めません。

内装はプラスチッキーで高級感は無いのですが、運転席に座るとどことなーく落ち着く感覚があり、さすがはトヨタブランドの車だなといったところです。

後部座席は「広め」といったところです。ヘッドレストも全ての席についており、大人5名乗車もそこまで苦にならないかと思います。
走りに振っているスイフトやデミオよりも後部座席の居住性は格段に良いです。

パワートレーンについて、やはり正直69PSのエンジンは非力と言わざるを得ません。
街中を流す分には問題は無いのですが、峠の上りや高速道路では90PS程度が限度だと個人的には思います。



3気筒エンジンということで出だしのトルクに期待はしてみたものの
そもそも排気量が1000ccしかない上に、燃費重視のCVTはラバーバンドフィーリングで
アクセルを踏んでから加速し始めるまでタイムラグを感じますし、音も気持ちよく無いです。

サスペンションも横剛性がなく、路面からのハーシュネスを床に結構伝えてきます
またタイアは燃費のためなのかとっっっっても細く、横方向のグリップ力が足りません
高速道路の濡れた路面では、怖くて怖くて仕方ありませんでした。

タイアは片手でつかめてしまいます

その一方でボディはよく作り込んであり、剛性は高いのにスタビリティがないという
よくわからない感覚の持ち主でした。

この感覚、どこかで味わったことがあるぞ……
と思い続けて考えついてたのは、ダイハツのミライースです

ミライースもボディ剛性は高いにもかかわらず、サスペンションのセッティングが甘いためか、ハンドリングに応答性と接地感が無いなと、以前乗った時に思ったものです。

実はこのパッソ、トヨタのディーラーで買う車なのですが、設計から製造までほとんどをトヨタの子会社であるダイハツが手がけたものなのです。
運転フィーリングはさながら「大きなミライース」そのもので
ハンドリングや加速感はもちろん、車内に届くノイズやウィンカーの音までなにもかもがミライースとほとんど同じ。
正直言うと、これはダイハツの車だな、もっと言うと軽自動車とほぼ変わらないとさえ感じます。

115万円という戦略的な価格、そしてトヨタL&Fで製造されているヴィッツとバッティングしないという点での企業努力は、とても見て取れます。

しかしながら、長距離ドライブでの疲労感や緊急回避のことなどを考えると
もうちょっとだけお金を出して、ヴィッツやスイフトを買ったほうが幸せになれるのでは無いのかなと、そういう結論になりました。


ちなみに先日登場したトヨタ・ルーミー、トヨタ・タンク、ダイハツ・トール、スバル・ジャスティも、ダイハツが設計製造した車で
エンジンはこのパッソと同じ(上級グレードにはターボが付いている)なのです

余計なお世話かもしれませんが、このパッソですら結構遅かったのに、
これよりも背が高く、重量も重く、スライドドアで剛性が弱い車で
自然吸気の同じエンジンではさぞかし辛いのでは無いのかなと感じます

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